@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008933, author = {安達, 隆征 and ADACHI, Takayuki}, month = {Sep}, note = {長大な道路のり面では表面水の流速低減や点検用の通路として,のり面の途中に小段が設けられる。小段にはのり面内への降雨や表面水の浸透を防ぐ目的で,排水溝を設置することが推奨されている。しかしながら,積雪寒冷地では凍上現象によって小段排水溝の破壊や接続部の段差,回転といった排水溝の連続性を損なわせる変状が発生する。このような損傷を放置しておくと,排水溝の変状の隙間から排水がのり面内に浸透し,最終的に崩壊を引き起こす恐れが生じてしまう。このため,小段排水溝の凍上被害については古くから研究がなされており,小段排水溝の破壊についてはそのメカニズムが明らかにされているが,国転についてはこれを合理的に説明した論文は存在しない。 そこで本研究では,凍上による小段排水溝の回転メカニズムを解明することを目的として,被災箇所の現地調査,排水溝の凍上・融解沈下挙動を再現した室内模型実験,供用中の道路のり面の小段に設置した排水溝の周辺地盤の温度や鉛直変位量を実測する現地計測を行った。さらに,本研究で明らかにした小段排水溝の凍上被害発生メカニズムを考慮した凍上対策についても検討した。 1. 凍上による小段排水溝の変状メカニズムを解明するため,被災箇所の現地調査,室内模型実験と現地計測を実施した。この結果,小段排水溝は小段平坦部の極表層で発生する凍着凍上現象によって,持ち上げられていることが明らかとなった。また,冬期の小段では積雪等の影響で横断方向に不等凍上が発生するため,小段排水溝の凍上量は谷側が山側に比べて大きくなり,この変位挙動の結果として,排水溝が山側へと回転していることがわかった。 2. 上記のメカニズムを踏まえて,縦断暗渠管やアスファル性遮水シートといった柔軟な材料で地盤の凍上・融解沈下挙動に追従して変形可能な小段排水溝を開発することを試みた。また,従来検討されてきた断熱工法や凍上の影響を受け難い施工方法についても検討を行った。この結果,それぞれの凍上対策の有効性と問題点を明らかにした。 3. 軽量で施工性が良く,排水性能の高いジオシンセティックス排水材を用いて耐凍上性を有する小段排水溝を開発することに取り組んだ。この結果,開発した小段排水溝が地盤の凍上・融解沈下挙動に追従して変形することができ,凍上によって損傷しないことが確認された。また,簡易通水性能試験によって,凍結・融解沈下を繰返した後にも通水性能が維持されていることが確認できた。}, school = {北見工業大学}, title = {積雪寒冷地における小段排水溝の変状メカニズムの解明とその対策に関する研究}, year = {2020} }