@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008931, author = {原田, 道幸 and HARATA, Michiyuki}, month = {Sep}, note = {近年,気候変動による異常気象により,記録的な豪雨が数多く発生するようになり,斜面災害のリスクが高まっている.約30年前と比較し, 1時間降水量50mm以上の降雨が発生する回数は現在の約1.4倍となっており, 1時間降水基80mmも同様の傾向である.また,これまで土砂災害のリスクが低かった地域でも記録的な豪雨が観測され,甚大な被害がもたらされている.これに加え,北海道のような積雪寒冷地におけるのり面では,冬期の凍上現象や凍結融解作用,春期の融雪水の影響を受けて崩壊に至ることがよく知られている.積雪寒冷地におけるのり面・斜面は,冬期間の凍上現象や凍結融解作用,さらに春先の融雪水の影響といった「寒冷地特有の要因」で崩壊に至ることが多い.具体的には,冬期に凍結線がのり面表層から内部に移動すると,表層部分が凍結し,凍土が形成される.凍土の厚さは凍結線の進行に伴って増加するが,厚く発達した凍土層はのり面内の水分の排出を妨げる遮水層となりうる.特に,のり面背後から地下水の供給がある場合,水分は逃げ場を失った状態となって地下水位が上昇し,のり面内部では間隙水圧が上昇する.これが春期になると,のり面に形成された凍土層は温度上昇に伴って表層から融解し,積雪寒冷地におけるのり面・斜面は崩壊に至ることになる. そこで本研究では,以上の背景の下に,積雪寒冷地における凍結融解作用を受けたのり面の表層が,春先の融雪水や夏季の大雨によって崩壊することを防ぐ対策として,柔軟性の高いジオセルを用いたのり面保護工の機能や効果,施工性を明らかにすることを目的とした.そこで,ジオセルのり面保護工を実物大の盛土斜面に施工し,凍結融解挙動や盛土内水位などの計測とともに,排水パイプの組合せに関する検討を行った.その後,北海道北見市の旧北見競罵場跡地を活用したオホーツク地域創生研究パーク内にある建設残土を整形して湧水環境を模擬したのり面を構築し,ジオセルの規格や中詰材の種類,不織布や排水パイプの効果に関する検討も追加し,更には特殊ふとんかご工との比較も目的とした様々なケースで実験した. これらの結果を踏まえて,最終的には,これまでの特殊ふとんかご工やのり枠工などに代わる新たなのり面保護工として,砕石を充填したジオセルが持つ耐侵食性や透水性に関する機能を有したまま,浸透抑制機能の付加や緑化も可能な,砕石層と砂質土層の2層のジオセルからなるのり面保護工を考案し,実物大実験による動態観測を行った.また,この中でのり面上に設置したジオセル層の滑動力に関する計測も行い,のり面上に打設する長尺アンカーバーの削減による省力化についても検討した.}, school = {北見工業大学}, title = {ジオセルを用いたのり面保護に関する研究}, year = {2020} }