@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008735, author = {島田, 友典}, month = {Sep}, note = {近年,台風や局所的な集中豪雨などに起因した出水により大規模水害の発生リスクが高まってきており,河川堤防の整備が進んでいる今日でも全国各地で破堤が生じている.特に越水による破堤は河道水位の高い状態から一気に堤内地側に氾濫流が流れ込むことで,広範囲・長時間にわたり冠水するなど,流域の生活・産業に大きな影響が生じる.よって破堤による被害を少しでも抑えることは河川防災にとって喫緊の課題の一つである.  このような中,破堤被害軽減技術の構築には破堤拡幅メカニズムの解明が不可欠であるが,出水時の河道特性に応じた破堤拡幅進行過程は明らかになっていない.本研究は,出水時の河道特性が破堤拡幅現象に与える影響を解明するとともに,破堤被害軽減に向けた効果的で効率的な緊急対策工法の考え方を提案することを目的とする.本研究により以下の研究成果が得られた. 1) 様々な破堤事例を収集整理し,越水破堤水理模型実験や数値解析を行った結果,破堤拡幅現象に影響を与える要素は川幅と越水時の水面勾配にほぼ等しいと考えられる計画高水勾配であることが明らかとなった.勾配が急な河川では川幅の広狭によらず氾濫流況は河道から氾濫域に向かい斜め下流方向へ流出し,破堤開口部は下流縦断方向への拡幅進行が卓越すること,勾配が緩やかな河川では川幅が広くなるほど氾濫流況は堤防に対して直角方向へ流出し,破堤開口部は拡幅進行よりも落掘発達が卓越することなどが明らかとなった.さらに計画高水勾配に応じた破堤時の氾濫流向を推定しておくことで,これらの関係より破堤拡幅現象を事前に想定出来ることを示した. 2) 支川背水区間における破堤拡幅現象に影響を与える要素は川幅のほか,支川の自流量の相違であることが明らかとなった.川幅が狭く自流量が少ないほど本川からの逆流が卓越し,氾濫流況は河道から氾濫域に向かい斜め上流方向へ流出し,破堤開口部は上流縦断方向へ拡幅進行すること,川幅が広く自流量が大きいほど氾濫流況は堤防に対して直角方向に流出し,正面越流に近い破堤拡幅現象を示すことなどが明らかとなった.これは同一の河道形状・地点であっても,背水区間では本川と支川の流況の関係により破堤拡幅現象・被害形態が異なるため,緊急対策工法も現象に応じた対応方法を考える必要があることを示した. 3) 荒締切工を想定した縮尺模型および実物大規模の実験を行い,作業完了までに生じる現象や期待出来る減災効果,及び留意点を示した.河道水位が高い状況においてもブロック投入位置によらず投入個数に応じて氾濫流量が低減すること,投入速度を上げることでより効果が大きくなることなどが明らかとなり,現場条件に応じてブロックを投入可能な地点・方法で早期に着手することで,完全に破堤開口部を締め切ることが出来なくとも被害軽減につながる可能性を示した.}, school = {北見工業大学}, title = {出水時の河道特性が破堤拡幅現象に与える影響に関する研究}, year = {2019} }