@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008689, author = {川﨑, 武志 and Kawasaki, Takeshi}, month = {Mar}, note = {本研究では、まず、近年、諸国において成長速度の速いブロイラーに多発しているwooden breast あるいはwoody breastと呼ばれる胸筋(WB)の外観的・物理的異常の発現を飼育期間中に生体で確認する方法について、翼の挙上性に着目して、臨床的、生化学的、組織学的に検討した。WB非発現鶏では、胸筋の組織レベルでの変性・壊死や線維化などがほとんどなく、翼の挙上性試験においては、胸筋の伸展性が保たれており、肘関節外側同士を接触させる位置まで両側翼を挙上することができた。一方、WB発現鶏の胸筋では、筋線維の変性・壊死に続発する線維増生などに伴い胸筋が硬化することで伸展性が低下・消失し、両側翼の挙上性が著明に抑制されることが明らかになった。また、WB発現鶏では、WB非発現鶏と比べて血漿creatine kinase (CK) とL-aspartate aminotransferase (AST) が高値であった。以上のことから、翼の挙上性試験はWBを生体で摘発するための有効な方法であることが示された。つぎに、翼の挙上性試験と生化学的検査によってブロイラー飼育期間の中間期(19日齢)にWB発現鶏とWB非発現鶏を選抜し、個体識別した上で55日齢まで肥育することで、これらの選抜鶏における経時的状態変化を臨床的に観察すると、ともに、55日齢における組織学的変化について比較検討した。WB発現鶏では、5/10のニワトリにおいて体重増加の抑制がみられるとともに、4/10のニワトリが飼育期間中に自然死した。一方、WB非発現鶏は、加齢とともに良好な体重増加を示し、自然死したものはなかった。しかし、WB非発現鶏においては、加齢とともに約半数の個体で翼の挙上試験において両側肘関節外側同士の接触性を失い、また、生化学検査においては、血漿CKとASTの値が著明に上昇した。  また、WB非発現鶏の55日齢での解剖検査と組織学的検査では、両側翼の肘関節外側同士の接触性を加齢に従って喪失した個体において、飼育期間中にWBが発現したことが明らかになった。 これらのことから、ブロイラーの飼育初期から中期の段階においてWBを発現したニワトリでは、その後の飼育期間中に健康状態や体重増加が抑制され、しばしば死に至る可能性が示唆された。 また、WBを発現していないニワトリにおいても、飼育期間中に急速な体重増加に伴ってWBを発現する可能性があることが明らかになった。また、組織検査においては、WBを発現したニワトリでは、胸筋だけでなく、鳥口上筋においても筋組織の変性・壊死性の変化と器質化が生じてWBの臨床症状と密接に関係している可能性が示唆された。}, school = {北見工業大学}, title = {異常硬化胸筋発現鶏の生体簡易診断方法の確立および臨床病理学的研究}, year = {2019} }