@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008687, author = {Song, Baiyang and 宋, 白楊}, month = {Mar}, note = {のり面保護工の一つである植生工は植物を繁茂させることでのり面の表層侵食を防ぐとともに,根系の侵入で表層地盤を拘束する工法である。このため,草本植物の根系が土のせん断強度に与える影響を把握することは重要であるが,根系を含む土、供試体を作製することや,のり面表層の小さな土被り圧で室内試験を実施することなど,試験方法上の解決しなければいけない課題も多い。また,根系の発達状況を加味して試験結果を評価することが難しいこともあって研究例は多くない。さらに,積雪寒冷地では凍結融解履歴が根系やせん断強度に与える影響を把握することが重要であるが,これを詳細に検討した事例は極めて少ない。そこで,本研究では凍結融解作用が植生工に及ぼす影響を明らかにすることを最終目標として,以下の現地調査と, X線CTスキャンを活用した3種類の室内実験を実施した。 1. 斜面崩壊が発生した道路のり面において現地調査を実施し,未崩壊地から採取した不撹乱試料を用いて定圧一面せん断試験を実施した。この調査によって,根系の侵入深以浅で斜面崩壊が発生する可能性が極めて低いことが明らかとなり,斜面表層地盤は根系によって増強されていることが推察できた。 2. X線CTスキャンを用いて,凍上過程における土の内部観察を実施した。この観察により,土中に形成されるアイスレンズを詳細に観察することができた。また,X線CTスキャン画像からアイスレンズ生成に伴う土の密度変化も把握することができ,凍上現象が土に与える影響を把握する手段として,X線CTスキャンが有効であることもわかった。 3. 生育が早く,観察が容易なコマツナの根系を含む土供試体の一面せん断試験やX線CTスキャンによる観察を行った。この結果,末凍結の供試体では低鉛直応力下で,根系による増強効果が表れることが明らかとなった。また, X線CTスキャンにより,凍結融解履歴を受けた供試体では根系が損傷し,増強効果が発揮されないことが窺えた。本研究により,凍結融解履歴を受けた草本植物の根系を含む土供試体のせん断特性を把握しうる試験方法を確立できた。 4. 寒冷地での植生工で採用実績が多いケンタッキーブルーグラスの根系が土供試体のせん断抵抗に与える影響を把握するため, X線CTスキャンを併用した低鉛直応力の定圧一面せん断試験を実施した。この実験により,根系を含む土供試体では,せん断変位が大きくなるにつれてせん断抵抗が大きくなることが明らかとなった。また, X線CTスキャンにより,せん断抵抗の大きさとせん断面周辺における根系量に相関が認められた。さらに,耐寒性があるとされているケンタッキーブルーグラスについては,凍結融解履歴がせん断抵抗に与える影響は大きくないことも明らかとなった。}, school = {北見工業大学}, title = {X線CTを活用した植物根系によるのり面の補強効果に関する基礎的研究}, year = {2019} }