@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00008435, author = {柳, 敏 and Yanagi, Satoshi}, month = {Sep}, note = {雪結晶の表面構造は,これまで主に光学顕微鏡を用いて調べられてきたが,その表面構造を詳細に調べた例は少ない.これは,主として昇華・変形の速い雪結晶の表面構造を迅速かつ正確に測定することが困難なためである.しかしながら,雪結晶の表面構造を細部まで把握することは,雪結晶の形成過程を調べる上で極めて重要である.そこで,雪結晶の表面構造を正確に保存するレプリカを作製し,レプリカの測定により雪結晶表面の構造を明らかにすることを目的として研究を行った.  レプリカの作製には紫外線硬化型樹脂と可視光硬化型樹脂の 2 種類の光硬化性樹脂を用いた.実験では,それぞれの樹脂の硬化特性を調べた.その結果,気温が -5 ℃以下で紫外線硬化型樹脂により雪結晶の片側表面の構造を保存したレプリカ ( 片面レプリカ ) を作製する場合,1.0 mW cm-2 の紫外線照射密度で 15 分間の樹脂硬化が最適であることがわかった.また,気温が -3 ℃以下で可視光硬化型樹脂により雪結晶の全面を保存したレプリカ ( 樹脂包埋レプリカ ) を作製する場合は,2000 lux ~8000 lux の可視光による 10 分間の樹脂硬化が最適であることがわかった.  次に,金属製粗さ標準片を用いてレプリカの転写精度を確かめた.その結果,どちらの光硬化性樹脂によるレプリカでも,表面構造は硬化収縮のため小さくなり,その減少率は紫外線硬化型樹脂によるレプリカでは最大 -2.7 %,可視光硬化型樹脂によるレプリカでは最大 -2.2 % であることがわかった.従って,この硬化収縮の影響を補正することで,レプリカでの測定結果から実際の雪結晶における表面構造を推定できることがわかった.  雪結晶から作製した片面レプリカをレーザ顕微鏡で測定した結果,雪結晶表面には高低差 5.3 μm ~ 26.2 μm の段差が存在すること ( ここでは測定面を「裏面」と記す ) がわかった.この「裏面」では段差のあるところから結晶表面の畝模様あるいは側枝が発達していた.一方,反対側の面 ( ここでは「表面」と記す ) は平面ではなく湾曲していることもわかった.樹脂包埋レプリカのレーザ顕微鏡による測定では,雪結晶の両面での構造の違いを識別できた.従って,樹脂包埋レプリカを用いると,ひとつの雪結晶で「表面」と「裏面」の構造を詳細に把握できることがわかった.}, school = {北見工業大学}, title = {光硬化性樹脂を用いた雪結晶レプリカの作製方法およびレプリカを用いた雪結晶の表面構造の研究}, year = {2015} }