@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:00007528, author = {中村, 大}, month = {2016-11-22}, note = {北海道のような寒冷地においては, 山間部や海岸沿いのトンネルや道路などの土木構造物で寒冷気候に起因する多くの問題が生じている. 1996年には北海道西海岸に位置する一般国道229号線豊浜トンネルにおいて, 大規模な岩盤崩落事故が発生した. 事故の原因の一つとして岩盤の凍上による劣化があげられている. このような背景から, 近年, 岩石及び岩盤の凍上性を把握することの重要性が高まっている. しかしながら, 凍上に関する研究は, その多くが土の凍上に関するもので, 岩石の凍上に関する研究はまだまだ少ない. 土の凍上に関する研究の進展に較べて, 非常に遅れているのが現状である. そこで, 本研究では, 岩石の凍上性について明らかにすることと, 岩石と土の凍上特性の違いを実験的に検証することの2点に取り組んだ. 本研究で行った実験は2種類の凍上実験で構成されており, 一つは固体の岩石を用いた凍上実験であり, もう一つは破砕処理を施した粉粒体の岩石に対して, 土の凍上試験方法を適用した凍上実験である. 実験結果から, 固体の岩石の凍上と粉粒体の岩石の凍上が, 異なる因子に支配されることが明らかとなった. 以下に, 本研究で得られた新たな知見を示す. ・固体の岩石の凍上性 (1) 固体の凍上性岩石では, 透水性が低く, 比表面概の大きな岩石ほど,高い凍上性を示す. (2) 固体の凍上性岩石では,低い透水性によって, 間隙中で内部圧力が発生する. 発生した内部圧力によりクラックが伸展し, 岩石が割れる. (3) 固体の非凍上性岩石では,高い透水性によって, 間隙中で内部圧力が発生しない. (4) 大きな比表面積は, 岩石が多量の不凍水を保持することを可能にし, アイスレンズを形成する際の水分の供給を容易にする. ・破砕した粉粒体の岩石の凍上性 (1) 粉粒体の凍上性岩石では, 透水性が高く, 比表面積の小さい岩石ほど. 高い凍上性を示す. ただし, それぞれにピークがあり, ピークを越えた高い透水性, 小さい比表面積を持つ岩石の凍上性は低くなると予測できる. (2) 高い透水性は,アイスレンズへの水分供給を容易にし, 低い透水性は, アイスレンズへの水分供給を妨げる. (3) 大きな比表面積は, 透水性を低下させ, アイスレンズへの水分供給を阻害する.以上の違いは, 固体と粉粒体という状態の違いが主な要因である. この事実から,岩石と土の凍上特性の違いと, それが現れる凍上発生機構の違いを明らかにした.}, school = {北見工業大学}, title = {岩石と土の凍上特性の差異に関する実験的研究}, year = {} }