@phdthesis{oai:kitami-it.repo.nii.ac.jp:02000200, author = {佐藤, 孝政}, month = {Mar}, note = {温室効果ガス排出量削減のため,世界的に再生可能エネルギーの導入量が増加してい るが,再生可能エネルギー電源の大半がインバータ等のパワーエレクトロニクス変換器 を介して電力系統に接続される電源(以後インバータ電源)である。インバータ電源は 従来の同期発電機と異なり系統に同期しない非同期電源であり,インバータ電源の系統 連系量が増加すると従来の同期発電機の発電出力が減り,系統のもつ慣性・同期化力が 減少することが指摘されている。慣性・同期化力が減少した系統は安定度が低下し,落 雷等に起因する地絡事故が発生した際に電圧が回復せず電源が一斉に解列して大停電 を引き起こすことが指摘されており,海外では実際の発生事例も報告されている。本研 究は,再生可能エネルギー電源を有する電力系統において,落雷などによって地絡事故 が発生した際の電力系統の安定度の向上を目的としており,その手法として現在注目さ れている仮想同期発電機制御を採用した。仮想同期発電機制御は仮想的に同期発電機が 持つ慣性・同期化力を模擬する制御で,インバータ電源に導入することで,再生可能エ ネルギーの系統連系量を増加させても系統の慣性・同期化力が減少することを防ぐこと に貢献するため,更なる再生可能エネルギーの導入量の拡大,促進に繋がる画期的な技 術である。 本研究では,系統に連系された永久磁石同期発電機(Permanent Magnet Synchronous Generator: PMSG)から成るウィンドファーム(Wind Farm: WF)と蓄電池に仮想同期発 電機制御の一形態である仮想慣性制御を実装した協調仮想慣性制御システムを提案し, その電力系統の安定化効果に関して検討・評価を行う。これは,協調仮想慣性・無効電 力制御と非対称Hysteresis Deadbandを組み合わせた全く新しいシステムで構成され,定 常時にはPMSG風力発電機はMPPT(Maximum Power Point Tracking)運転を行い,過渡時 のみ出力抑制制御であるDeloaded運転に移行することで定常時に最大効率で発電させ ながらも過渡時には出力を増減させることを可能とする新しい制御手法である。その結 果,再生可能エネルギー電源であるPMSG風力発電機自身が系統周波数変動抑制能力を 有することで更なる風力発電の導入拡大に寄与できるだけでなく,同時に系統制御のた めに導入されている蓄電池の容量を大幅に低減できることも示した。次に,インバータ 電源に仮想同期発電機の機能を持たせ,従来の同期発電機との制御性能の比較に関する 解析・評価も行い,更に,ガバナやAVRによる遅れ成分を考慮しない仮想的な同期発電 機との比較も行い,インバータ電源との性能優劣に関する評価を行った。この結果は, 仮想同期発電機制御システムの設計に関して一つの重要な指針を与えるものである。}, school = {北見工業大学}, title = {仮想同期発電機制御による再生可能 エネルギー電源を含む電力系統の安定化に関する研究}, year = {2022} }